「ガソリン生活」読了。
乗用車の視点で語られる以外はごく普通の(!)伊坂作品。なんとなく東野圭吾の「超税金対策殺人事件」を思い出した。他意はない。
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「ガソリン生活」読了。
乗用車の視点で語られる以外はごく普通の(!)伊坂作品。なんとなく東野圭吾の「超税金対策殺人事件」を思い出した。他意はない。
「火星の人 (ハヤカワ文庫SF)」読了。
絶望的な状況を乗り切るのに必要なのは、何よりも「不屈のユーモア」なのではなかろうか。今年のベスト候補。
「障害者の経済学」読了。
著者自身、脳性麻痺のお子さんを持つ「当事者」であるとのこと。経済学の立場から障害者を論じつつも、ところどころで「ぼくのこんがえたさいこうの福祉」が見え隠れしてしまうのは当事者ならば仕方のないところか。当事者であることは、なるほど取材のアポ取りの助けにはなるかもしれないが、中立的な議論には妨げとなるのではなかろうか。
「鹿の王(上下合本版) (角川書店単行本)」読了。
「守人シリーズ」「獣の奏者」の作者による新作。架空の世界が舞台だが、医療が重要なテーマとなっている。実世界の医療と照らし合わせながら読むのも楽しい。
ところでこの本、ハードカバー上下2冊で発行されているが、電子書籍版では分冊版と合本版が選べるようになっている。製本の制約がないのだから、こうした試みはもっと増えて欲しい。
「ソロモンの偽証: 第II部 決意 下巻 (新潮文庫)」読了。
やっぱり学校で裁判、それも生徒が被告になる刑事裁判はさせてもらえないだろうなあ。下手すりゃリンチになるから。それを荒唐無稽に見えないように書き進めるのは相当たいへんだったろうと想像。
「ソロモンの偽証: 第II部 決意 上巻 (新潮文庫)」読了。
中学生による校内裁判、というと武富健治「鈴木先生」を思いだす。漫画やドラマならば端役扱いであっても「生徒たち」は登場する(させざるを得ない)が、小説ではストーリーに関係のない人物をわざわざ描写することは珍しい。結果、小説で裁判という「役者の多い」活動を始めると、これまで存在しなかった登場人物が続々と現れることになる。作者の苦労がしのばれる。
「明日からつかえるシンプル統計学 ~身近な事例でするする身につく最低限の知識とコツ (現場の統計学)」読了。
現在の仕事をアサインされてから1年半、読む本は簡単な方へ簡単な方へ遡ってきたが、この辺りを折り返し点にしようと感じた。
とはいえ、この本は「ここまでで充分」という主張が強く出ていて頼もしい。
「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)」読了。
読み物のジャンルに貴賤はないと私は思っているが、このシリーズは「ライトな」ミステリだと分類されることが多いようだ。
謎の発生から手がかりの(それとない)提示、解決までの間が短いこと、つまり謎解きのストレスを読者に長時間かかえさせないことがその「軽さ」のゆえんなのかと思うが、問題は手掛かりの提示のそれとなさ加減ではないだろうか。作者の、あるいは作品の「癖」に慣れてしまうとちょいと興醒めではある。まあ、それを差し引いても面白く読めるので文句を言う筋合いではないか。