iTunesに手持ちのCDを取り込もうとしたが、いつもはインターネット経由でCDDBから取得できる曲名などの情報が取得できない。先日、諸般の事情でbonjourサービス(iTunesと同時にインストールされる通信サービス)を停止したのでその影響かと思っていろいろ試したが復旧しない。もう1台のPCに新たにiTunesをインストールしてもうまくいかない、という状況まできてはたと「もしかしてCDDBが停まっている?」と思い当たったしだい。妻には「普段だったらまず検索して調べてるのにね」と笑われた。
「CDDB」で検索していて記事を発見したのだが、先日GraceNote社(CDDBの運営会社)は米SONYに買収された模様。まさかそこまであこぎなこともするまいと思いながらもちと不安。
「遺跡の声」読了。
第1回日本SF大賞受賞作「太陽風交点」の原型となった短編版を含む連作集。短編から長編へのリライト、というパターンはカードの「エンダーのゲーム」を思わせる(エンダーのゲームのほうが5年ほど後の発表)。
前回大事なことを書き忘れた。「バビロニア・ウェーブ」は星新一の作品の本歌取りだと思うのだが、作品名が思い出せない。どなたか詳しい方、コメントかトラックバックで情報をお寄せいただけないだろうか。
(*)星新一の作品:うろ覚えだが、以下のような筋。とある洞穴から強力な光線が流れ出てくる。人類はその無尽蔵のエネルギーを利用して大いに発展する(「工夫するよりエネルギーを使え」的な発想になっていくところが「バビロニア・ウェーブ」に共通する)。やがて人類は最大のプロジェクトとして、時間旅行を計画する。時間の壁を突破するため、大量のエネルギーを一点に集中すると、時空に穴が開き、そこからエネルギーが過去に流れ出ていく。人類が利用してきたエネルギーは、実は未来からのものだったのだ。「これからは過去にエネルギーを供給するために知恵を絞らなければ…」というオチ、だったような。
「源氏物語の時代―一条天皇と后たちのものがたり」読了。
2007年サントリー学芸賞受賞作。
題名から想像されるような堅苦しさは全くない。史料としてはあまり取り上げられない「栄花物語」なども使っていきいきと“源氏物語の時代”を再現しようという試み。この本の作者は、客観性を失わないように努めたと書いているが、どの史料・資料を取り上げるかという選択や、それらに対する解釈でどうしても主観が混ざってきてしまう。それが、いい。学術書というジャンルの幅を最大限まで使い切った、読み物として面白い作品になっていると思う。