「マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮」読了。
作者後書きにもあるように、"人並み以上の戦闘能力を持つ(一見かよわい)女の子"という「レオン」などでおなじみのモチーフが登場する。
そろそろ使い古された感じもするが、それだけで済まさないところに作者の気合を感じる。
「特選OL進化論」読了。
「あー、いるよなあこういう人」という共感を覚え、おもわずニヤリ。
中でも「35ans 35歳で独身で」は白眉。
春夏秋冬+35ansの5冊セットだが、ばら売りもあるようだ。
「クリティカルチェーン」読了。
上司にすすめられて読んだのだが、なかなか興味深い。目からうろこの落ちるプロジェクトマネージャーも多いと思う。かくいう私も、ページを追いながら、現在しかかり中のプロジェクトの改善ネタをいくつか見つけることができたように感じた。
しかし、ビジネスの(ビジネスにも応用できる)手法を小説の形で紹介するのは本来は「ずる」である。実際、論理の飛躍が登場人物の変心(「なるほど!なんでこんな簡単なことにこれまで気づかなかったんだろう!!」)によってごまかされてしまうのが多少鼻につく。この本における「魔法の杖」はTOCではなく、作者の筆、なのかもしれない。
そうは言っても、TOCを応用した手法は実際に役立ちそう。「ザ・ゴール」から読んでみようといまさらながら考えている。
「螺旋階段のアリス」読了。
探偵、探偵助手、兼業主婦が登場して、探偵としての優秀さは兼業主婦>探偵助手>探偵の関係が成り立つと言う、不思議な連作。いや、ある意味では主人公の探偵は名探偵中の名探偵なのかもしれない。毛利小五郎タイプ、とでもいおうか。
「沙羅は和子の名を呼ぶ」読了。
広い意味での幽霊譚を集めているが、決して怪談ではない。この作者特有のふんわりした読後感が漂う。
「佐治敬三 心に響く33の言葉」読了。
著者(サントリーの元社員らしい)の我田引水がひどい。しかし、佐治氏の言葉の一つ一つは、確かに凡人にはない魅力があるように感じられる。平易な言葉で、特別に高度なレトリックを用いているというわけでもないのに。
そういう言葉をつむぎだせるから名経営者たりえたのか、それとも経営者であればこそ、どうということのない言葉にも周囲が勝手に価値を見出すのか。前者であって欲しいものだ。
「パンプルムース氏対ハッカー」読了。
最初は「くまのパディントン」の作者が大人向けの作品を?と思ったものだったが、今では普通にシリーズものの続刊を待ち望んでいる。
で、今回も期待にたがわず。
「聖アントニオの舌」読了。
直木賞作家によるイタリア紀行文。ただし、直木賞作家は直木賞作家でも「死国」「山妣」の坂東眞砂子のエッセイなので、テーマもミイラだったりキリスト教異端派だったり、一風変わったものばかり。
「SFが読みたい! 2004」読了。
時間の許す限り手当たり次第に読んできた本が、それなりに評価されているのは、評価軸をほめてもらっているみたいで嬉しい。
あとは、自分と趣味の似ている人を見つけてそのお勧めを読むのがこの本の使い方かと。
とりあえず「マルドゥック・スクランブル」と「しあわせの理由」が最優先かな。