「魔法探偵社よ、永遠に!」読了。
原著はもう23年越しのシリーズだとか。まあ、日本にはグインサーガやこの間のブラックキャットシリーズみたいに息の長い(いろんな意味で!)シリーズがあるから、別に驚きもしないけど。
物語は大きく一区切り、でもシリーズはまだ続くらしい。よしよし。
「奇譚草子」読了。
未完成の話の断片を発表してしまう、という点では星新一「できそこない博物館」に共通するものがある。が、訥々とした語り口から醸し出される独特の雰囲気は、そうした形式さえもが意図されたものと感じさせるほどである。
「わが子に伝える『絶対語感』」読了。
言いたい事はわかるのだが、「最近の若い者は」という年寄りの繰言の域を出ていない。
絶対語感、という言葉自体も「絶対音感と同様に幼少時からの適切な働きかけで培われる感覚」という意味合いで使われているが、わざわざ言葉を造る必然性があるとは思えない。本書で言うところの「絶対語感」は、言語に関する自分なりのスタンダード(標準・評価基準)とでも呼べばいいのではないだろうか。
とはいえ、そうしたスタンダードを構築するためには、小さいうちから訓練あるいは習慣付けを行う必要がある、という本書の主張はまったくもって正しい。だが、この本を読んで「なるほどなあ」と頷く暇と金があるのなら、絵本の一冊も買って、子どもに読んでやるべきである。
もう一点、気に食わないのは子どもに対して上述のような働きかけを行うのを母親の役割と限定していることである。子どもに本を読んでやるという楽しみを、母親だけに独占させておくことはない。
このEntryを読んでくださっているお父さん、読み聞かせ、してますか?
たとえば「ももたろう」。定番中の定番。言葉の意味がわからないうちからでも読み聞かせられるのが絵本の良さです。
「言いまつがい」読了。
この本、人前で読まないほうがいいかもしれません。Webで読むのであれば「ふふん」「にやにや」で済むネタが、いつのまにか「くくくっ」「けたけた」になってきます。そんな回路が形成されてしまう恐さがあります。
「チェックメイト 後編」読了。
良くも悪くも、変わらないなあ。
強引な予定調和、独特の語法(口語体の文章で「にげおおす」とか)、地の文で登場人物の行動にツッコミを入れる作者、2分冊の1冊目に入る「あとがき」、などなど。
好きな人にはたまらないだろうし、嫌いな人にもたまらないだろうな。
「チェック・メイト前編」読了。
どうでもいいが、このシリーズの第1作を読んだのは私がまだ中学生のとき。第1作を初版で読んで、第4作まできちんとついてきている男性読者、ってどのくらいいるんだろう…。
「ニッポンの課長」読了。
日経BPの雑誌に連載されていたにもかかわらず、ビジネス書っぽくならないように努力している形跡が感じられる。
「ここほれONE-ONE!2」読了。これで、普通に手に入る小川一水作品は一通り読んだことになる。
ちなみに、作者のホームページ「小川遊水池」では、単行本化されていない中篇なども読むことができる。
「ここほれONE-ONE!」読了。
各登場人物の性格が微妙に「混じって」しまっているような気がする。単に読み取れていないだけなのかな?2巻に期待。
「百年の恋」読了。共働きで妻が妊婦という状況下では特に、考えさせられる本ではある。ここまで極端なことにはならないが、傾向としては頷ける、といったところ。
「まずは一報ポプラパレスより2」読了。
面白かったけど、大の男が通勤電車で読むには向かない表紙。「そんな読者層は期待していない!」といわれてしまえばそれまでだが。
「まずは一報ポプラパレスより」読了。
作者の河出智紀は小川一水の別名。どこがどう、というわけではないけれども、やっぱり文体やら話の持って行き方に癖ってあるのかもしれない。
「遺伝子の使命」読了。
ヴォルコシガン・サーガの番外編。読み手を物語に引き込み、一気に読みきらせる力は相変わらず。
「消えた女官 マルガ離宮殺人事件―グイン・サーガ外伝〈18〉アルド・ナリス王子の事件簿1」読了。
魔道あり、超科学ありの物語世界で繰り広げられるミステリー、ということで警戒していたが、取り越し苦労だった。乱歩賞作家の矜持、でしょうか。
グインサーガの外伝ですが、グインサーガっぽくない作品でした。栗本薫ファンの方におすすめ(<しなくてもファンだったら買ってるだろうけど)。