「チルドレン (講談社文庫)」読了。
日常生活に見え隠れする(いや、それほど日常でもないか)謎を対象とするミステリー、とでもいうのだろうか。事件が起きて、その謎を探偵役が解決するというよりは、そこに謎があるとはだれも思っていないようなところを解決してしまうような。「えー、そこを解くの?」と思いながらも謎が解けていくところがいい。
「チルドレン (講談社文庫)」読了。
日常生活に見え隠れする(いや、それほど日常でもないか)謎を対象とするミステリー、とでもいうのだろうか。事件が起きて、その謎を探偵役が解決するというよりは、そこに謎があるとはだれも思っていないようなところを解決してしまうような。「えー、そこを解くの?」と思いながらも謎が解けていくところがいい。
「有頂天家族 (幻冬舎文庫)」読了。
「宵山万華鏡」が森見版「千と千尋の神隠し」ならこれは森見版「平成狸合戦ぽんぽこ」か。いや違うか。作品中に登場する赤玉ポートワイン(現在は赤玉スイートワインと改称)がやけに美味そう。
「グラスホッパー (角川文庫)」読了。
ちっともリアルな物語ではないはずなのに、登場人物たちの感じるストレスをいつの間にか共有させられている、そんな作品。構成はこの作者としては素直で、視点の変化に素直についていけば「運んで行って」もらえる。スカッとさわやか、ではないが読後感は不思議と悪くない。
「天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)」読了。
シリーズ名と同名の章を経て、物語の環が閉じようという方向が見えてきた。引き続き巻末の用語集・年表が嬉しい。で、最終的には1巻の続きまで連れて行ってもらえるんだよ、ね?
p.81の15行目は誤記だと思います。
「敵は海賊・海賊の敵 (ハヤカワ文庫JA)」読了。
登場人物の性格、なんか少しずつ変わってきているような気が。いや、これは受け取る側が老けたのか。
「NOVA 9 ---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)」読了。
書き下ろしのSFアンソロジーという贅沢な企画も、これで9冊目。編集後記によると、次の10冊目で「一区切り」とのこと。SF短編大好きな身としてはさびしい限り。
「敵は海賊・短篇版 (ハヤカワ文庫JA)」読了。
出版を見逃していて、同シリーズの「海賊の敵」と同時に購入。Amazonも的外れなメールばかり送ってこないでシリーズものの続編をきちんと薦めてくれればいいのに。<八つ当たり
「華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA)」読了。
国土が海に飲み込まれる「日本沈没」か、官僚を主人公とするSFということで「復活の地」の線か、はたまた遺伝子を改変して水に適応する人類を描く「両棲人間」「モロー博士の島」「アマゾンの半魚人」か、と思わせておいてまさかのP.K.ディック展開(本当にそいつは人間なのか)へ。盛り沢山で楽しめる。日本SF大賞、SFが読みたい!ベストSFなどでの高評価もむべなるかな。
「華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)」読了。
小松左京が「日本沈没」で本当に描きたかったのは、国土を失った日本民族の流浪と苦難だった、という話を読んだことがある。いかに“理論的に”日本を沈めるかを書いているうちにあれができてしまったのだとか。私が読んだ話には続きがあって、これが星新一や筒井康隆だったら“ある日、日本は沈没した。さてそこで――”と始めてしまっただろう、と。実際、筒井康隆の「日本以外全部沈没」など、まさにそのノリである。
さて、この作品。同作者の出世作「魚舟・獣舟」と世界観・設定を共有しているのだが、そこにもっていくまでの40ページほどのテンポが凄まじい。“ある日、世界は沈没した”とまではいわないまでも、あれよあれよといううちに世界が沈んでしまう。そこに無理を感じさせないのは「この先をこそ語りたいのだ」という作者の強い思いによるものではないかと思う。
「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」読了。
子どもと猫が主人公で、日常生活とその中で起こる不思議な出来事を題材にしていて、でもこの作品は童話ではない気がする。大人のための童話というよりは、子供も楽しめるかもしれない小説、なのではないだろうか。