「ひとりっ子」読了。
表題作、主人公が量子論の多世界解釈を前提としたプロセッサ上で稼働する人工知能であることを除けば、ごく普通のホームドラマ。素晴らしい。
「ひとりっ子」読了。
表題作、主人公が量子論の多世界解釈を前提としたプロセッサ上で稼働する人工知能であることを除けば、ごく普通のホームドラマ。素晴らしい。
「沈黙のフライバイ」読了。
SFに限らず、フィクションを書くときのネタとなる「もし……だったら」という仮定。この作者の作品はどれも、ネタの数は少ない。世の中にはSF的なネタをこれでもかと詰め込んだ絢爛豪華な物語があふれている(私はそういうのも大好きなのだが)。この本に載っている作品がそれらに負けずどれもすばらしいのは「……だったら、こうなる」という展開がしっかりしているからだろう。その展開・ディテールの書き込みに自信があるからこそ、ネタはあえて抑え気味にしているのではないかと思える。抑えようとしても抑えきれないのか、表題作のラスト数行で作者自慢のネタがちらりちらりと見え隠れする。ストイックになりきれないところも、また良い。
「陰陽師 太極ノ巻」読了。
あとがきにいわく「困ったことにというか、嬉しいことにというか、この風景、ぼくはいくらでも書けるのである。(中略)どうやら、一生書いちゃうことになりそうです。」
大歓迎。
「マルドゥック・ヴェロシティ 3」読了。
スターウォーズのエピソード3みたいな、予定調和を予想しあきらめていたら…!
こういう救いのない終わり方、実は結構好きです。