「昨日がなければ明日もない」読了。
また宮部みゆきの本を捨てなければならない。読まずに我慢するわけにもいかず、待っても電子書籍化される見込みはなく、ハードカバーで積んだあげくに読み終わったら捨てる。読み返す確率は低いし、また買えばいいし、図書館にだってある。だけどここ数年捨てる本といえば宮部みゆきの本ばっかりで、何とかならんもんかなと思っている。
で、この本。杉村三郎シリーズの5作目。前々作「ペテロの葬列」で主人公が生活の大きな転機を迎えたので、ここでシリーズ終わるのかなと思ったら続いていて、いろいろいきさつもあるのかもしれないけれど、こういうところをうまくやってもらえるのはとてもうれしい(三島屋変調百物語シリーズも意外な形でシリーズが存続したのでとてもうれしかった)。折に触れて出てくるブルジョア層の生活にかかわる諸々も、なぜか頻度はあまり変わらない(うがった読み方かもしれないが、東野圭吾「超税金対策殺人事件」のような事情があるのではないか)。また、車の車種名やソーシャルメディアサービス名など商標の扱い、若者言葉やネットスラングの扱い方も興味深い。