「ララピポ (幻冬舎文庫)」読了。
裏表紙の惹句に曰く「下流文学の白眉」。まあ、人生いろいろあるよね、では片付かないくらい殺伐とした内容。
「数学ガール ガロア理論 (数学ガールシリーズ 5)」読了。
感想その1:そういえば昔、群論おとしたなあ。だめな学生だったけど、それでも少しかじっていたおかげでこの本が楽しめるのはありがたいことだ。
感想その2:人は年をとると、若いころにいやいややらされていたことを好んでやりたがるようになるものなのかもしれない。
感想その3:何かができる、と主張する人に対して反例を挙げてやりこめてしまうのは比較的簡単だが、建設的ではない。それができる場合もあるのだということを受け入れて、できないのはどういう場合なのか、その境界を一緒に探るのが好ましい。
「ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)」読了。
ビジネスで成功している企業はその戦略を強い因果関係で結ばれた一連のストーリーとして語れる、という主張を中心とした一冊。
成功している→戦略ストーリーが存在、という命題は正しいと思う。しかし、その命題は(作者も文中で認めているように)後知恵に過ぎず、ビジネス上の成長過程で様々な淘汰圧に耐えて来た企業は必然的にそうした戦略を身につけている、というだけなのではないかと思えてならない。とはいえ、そうした企業の戦略ストーリーは滅法おもしろく、読んでいて素直に楽しい。これが500ページのハードカバーではなく300ページの新書だったらすごい名著だと思う。