「豹頭王の苦悩 (グイン・サーガ 122)」読了。
著者が自らあとがきで「それにしても陰惨な巻になってしまいましたねえ」というくらい、陰惨な巻。シリーズも長く続いてくるといろいろとつじつまの合わない点が出てくるようですが、この巻ものちのち禍根を残すのではないかとこちらが心配になる。
「ゆめつげ」読了。
「しゃばけ」シリーズの作者による新シリーズ。主人公は夢告の能力を持っているのだが、作者自身の拡大解釈でその能力がどんどん拡張していくような感じがあり、ご都合主義大好き人間の私もちょっとついていきにくかった。
「のだめカンタービレ (21)」読了。
話の展開が遅く感じられ始めた。この物語量で次までの4~5ヶ月を待つのはつらい。(連載を読め、というご意見もあろうかとは思うが)
「星新一 一〇〇一話をつくった人」読了。
ケーキを食べる子どもは、ケーキ屋のおじさんの人格を無視する。
ケーキ屋のおじさんがどんな人で、ケーキ屋になるまでにどんな経験をしてきたかなんてことには興味もない。
いま食べている口当たりのいいケーキを作るために、ケーキ屋のおじさんがどんな苦労・努力をしているか。大人ならばそれを理屈でわかっている人もいるかもしれないが、彼らもケーキのクリームからおじさんの汗や涙の味を感じることはないだろう(せっかくのケーキがまずくなるし)。
私は子どもの頃から星新一の作品に触れ、その読みやすさ、一つ一つの質の高さ、そしてその量に感心しながら片っ端から読み漁った。彼が亡くなったときは、すでに発表されているショートショートをほぼすべて読み終えていたが、「もう新しいものは読めないのか」と、とてもさびしかったことをおぼえている。そして、小づかいで最初に買った本が星新一の「宇宙のあいさつ」だったことはこれからも私の誇りである。
本作品は、先日発表された第39回星雲賞ノンフィクション部門をはじめ、第28回日本SF大賞、第34回大佛次郎賞、第29回講談社ノンフィクション賞、第61回日本推理作家協会賞と、さまざまな賞を受賞している。星新一への最高の手向けとなるのではないだろうか。
「銀むつクライシス―「カネを生む魚」の乱獲と壊れゆく海」読了。
正直なところ大して期待していなかったのだが、ノンフィクションとは思えないほどの読み応えだった。
「フリーランチの時代」読了。
この作者もずいぶん寡作になってしまった。また「現場SF」っぽさは目立たなくなって、なんというか、人間を描くことに主眼を置いている感じがする。
「ハリー・ポッターと死の秘宝」読了。
大人気シリーズ最終巻。1巻~6巻までとは趣をかえ、学園モノと言うよりは戦争モノに近い物語になった。たくさんの登場人物にそれなり以上の見せ場を作り、「あの人はその後どうなったのだろう」という疑問が残らないようにするにはこのような形式が必要なのだろう、多分。
それぞれの登場人物に用意された結末に対しさまざまな意見はあるだろうし、作品そのものについても毀誉褒貶かまびすしいが、少なくとも私はこのシリーズを読むことができてよかったと思う。
「PLUTO (6)」読了。
待ちに待った6巻。だが、次の巻は誰が主人公になるの?