「この世の彼方の海」読了。 こうして順に読んでみると主人公の行動の脈絡のなさが目につく。が、それすらも計算ずくに思えてしまうのは、作者の力というよりは主人公の存在そのものが含んでいる矛盾ゆえだろう。
「やみなべの陰謀」読了。 素晴らしい。 いわゆる「バカSF」の血統をしっかりと受け継ぎながら、この構成の妙。……というか、妙な構成。
「ブレイブ・ストーリー (下)」読了。 決して大人向けの物語ではない。しかし、ファミコンゲーム的なお涙頂戴演出の隙間から伝わってくる単純だが重い問い掛けは大人だからこたえられるという性質のものではない。 私は既に主人公の親の世代になってしまった。もし小学生の頃にこの物語に出会っていたら、一体どのような感想を持っただろう。
「ブレイブ・ストーリー (中)」読了。 重いテーマが少しずつ現れてくる。異世界=主人公のインナースペース、という図式はよくあるが、現実世界でも時間が流れるようにするなど、単なる夢オチにしない工夫が感じられる。
「ブレイブ・ストーリー (上)」読了。 異世界もののファンタジーも、この作者にかかると一味違う。異世界の(前世紀のファミコンゲームを思わせる)軽さと、現世の重さが好対照。
「文庫版 塗仏の宴―宴の始末」読了。 こんなややこしい筋書、いったい何処の誰が書くっていうんだ。 ……京極夏彦? まあ、確かに。
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