「「洋酒天国」とその時代」読了。 企業の広報誌、しかもバーの酔客向けのそれの中にあって、休刊から40年を経てなお語り継がれるものがどれだけあるだろう。 洋酒天国という雑誌を通して、その背景となった昭和30年代という「空気の濃い時代」を丹念に描き出している。 淡々とした筆致ではあるが、この筆者もまた、この濃い空気を呼吸して生きた登場人物の一人である。
羨望の溜息を禁じ得ない。
「世界の宗教を読む事典」読了。 世界の宗教に関する101のキーワードについて、それぞれ新書2ページ程度の簡潔な解説を加えている。特定の宗教に肩入れすることなく、記述は淡々としたもの。日本では比較的マイナーな宗教についての知識が増えるのは勿論、仏教などの、知っているつもりになっているだけの宗教に対する認識も深められる。
「誰か Somebody」読了。 宮部みゆきの作品は作者買いして後悔したことがない。 まるで観衆の目が届かないところまで丹念に造形された模型のように、その作品世界はその断片からさえ厚みと独特のリアリティを漂わせる。
このブログを購読
follow on Twitter